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地上本部襲撃作戦に関する軍事的考察(なのはStirikerS第16話感想その2) [リリカルなのは]

 なのはStrikerS第16話「その日、機動六課(前編)」の感想その2。
 Bパートの「地上本部襲撃」に関して、軍事的に書いてみたくなったので、変な文章を書いてしまいましたw
 あ、その1に引き続き完全ネタバレです。


●地上本部襲撃作戦に関する軍事的考察(第16話時点)

 まず襲撃はクアットロのシルバーカーテンによる通信妨害からスタート。
 その間隙を縫って内部潜入していたセインとチンクがCICルームと結界システムを制圧及び破壊。 
 更にディエチによる麻痺ガス砲撃により、外周人員を文字通り麻痺状態に。

 これは、地球の戦争で言うところの
「攻勢開始前の電子妨害及び潜入特殊部隊やパルチザンによる通信ネットワーク切断」
にあたる。

 そして、地上本部首脳部はこの攻撃に対し、その防御システムの堅牢さを頼りに「固守体制」をとった。
 この戦術は敵が即座に大戦力を地上本部付近に展開できないという前提ならば、悪くない戦術であったと思われる
 しかし、ルーテシアの召還魔法により結界の弱まった地上本部近くに大量のガジェットドローンを送り込まれたことにより、この戦術は破綻。
 地上本部外周警備部隊は至近距離に転送されたガジェットドローン群の奇襲を受け、あっけなく壊走した。
 本局系部隊の機動6課が戦った「ホテル・アグスタ防衛戦」では「突然、至近距離に大量のガジェットドローン転送」の戦例があったが、その戦訓が連絡不足などにより地上本部側では生かされていなかった可能性が高い。
 同じ国の軍隊でも戦訓や情報が共有されないことは良くあり、アメリカ海兵隊はアメリカ陸軍に上陸戦関連のノウハウを渡したがらない。

 この過程を地球の戦争に直すと、
「奇襲を受けた司令部が、大河や大湿地帯などの自然上の障害で敵大規模部隊の直接侵攻は即座に無いと見ていたら、高い工兵技術等により自然障害を急速突破されて、敵大部隊の重囲に陥った」
と言える。
 1940年にフランスが、ドイツ軍機甲部隊はアルデンヌ森林地帯を突破できないと思い込んで、まさにその場所にドイツ軍の電撃戦を食らって敗北したのが、戦史上の良い例だろう。
 ルーテシアが召還魔法で大量のガジェットドローンを地上本部周辺に送り込んだのは、司令部にとっては突如周りに敵地上部隊が大量出現して包囲された、ともいえる。

 また、大量のガジェットドローンのAMFにより地上本部配備の戦闘部隊は命令系統を破壊され、機能不全状態に陥ってしまった。
 史実のキエフ包囲陣やスターリングラード包囲陣、ルール包囲陣などの大規模包囲戦では、装甲機動部隊(地上本部包囲戦では機動6課隊長陣など)も多数閉じ込められてしまっているが、包囲陣内の命令系統がうまく構築できず、ほとんど無力化されていることが多い。
 
 地上本部包囲網を解囲すべく、付近の機動部隊(首都航空隊及び機動6課残存部隊)が突破作戦を行ったが(しかし地上本部系、本局系の違いにより連携行動は取れていない)、これを予測していたナンバーズの一部は迎撃地点を選んで効果的な待ち伏せ攻撃を行い、圧倒的少数の兵力にも関わらずそれを阻止している。
 多数の空戦魔道士を抱える首都航空隊は、ナンバーズのトーレ&セッテの奇襲を受け大損害を受け、機動6課残存部隊の陸上グループ(4人)もナンバーズのノーヴェ&ウェンディの迎撃を受け進撃を阻まれている状況だ。
 首都近辺で即座に動ける最強の機動装甲戦力(ヴィータ&リインフォースⅡ)も、包囲陣内に強襲をかけようとしていた敵装甲部隊(ゼスト&アギト)と正面激突してしまい動けない。

 地球の戦争でも「包囲陣解囲作戦」というのは攻撃側にとって極めて出血の多い作戦であり、どうしても進撃ルートが限られるため、迎撃側は効率的な戦闘を行うことが出来る。
 まさに、地上本部包囲後のナンバーズの戦闘は包囲陣解囲作戦を受ける立場として、迎撃側の利点を存分に生かしていると言えるだろう。

 また、首都近辺の機動戦力が地上本部への突破作戦に投入されたのとタイミングを合わせて、地上本部包囲陣への通路を確保し大量の部隊を送り込んだ装甲部隊(つまりルーテシア)が、増援を受けて(劇中で機動6課に向かっている敵ユニットは2体と報告されている)更に後方の機動6課本部へと進撃を始めた。
 管理局の機動戦力が地上本部付近で戦闘状態に入り動けない現状では、ルーテシアたちの進撃を阻むものは何も存在しない。

 まさに、これは旧ソ連が得意とした「二重包囲」戦法だ。
 「二重包囲」戦法とは、最初の小規模包囲陣で敵部隊をひきつけたところで、更にもう1つ大掛かりな包囲網を形成して小規模包囲網に引き寄せられた敵を更に包囲してしまうか、もしくは敵の居ない場所を高速進撃して後方の戦略目標を占領してしまう戦法である。
 しかし、この戦法は敵よりも多い兵力を動員できる旧ソ連軍が得意としているように「敵よりも多い兵力」の場合に使われることが多いが、多数のガジェットドローンなどの戦闘ユニットを抱えているように見えても、実際は柔軟に思考して戦闘できる戦力が極めて少ないナンバーズ&ルーテシア一派が、この戦術を使いこなしているのは驚きでもある。



 ……ああ、こういう文章は書いてて非常に楽しいですw
 判る人は少ないと思うので、完全な自己満足文章ですが。
 第17話の展開を含めて色々と書き直して、夏のなのはオスプレイ本新刊の原稿にしようか考慮中だったり。
 他にも考えているネタは幾つかありますので、どうしようか迷ってます。
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コメント 1

NO NAME

まだ17話が放映されていないので、確言は出来ないのですが・・・

今回の「地上本部並びに機動六課庁舎襲撃事件」における、機動六課の対応が(結果的に)後手後手にまわった最大の要因は、以下の点ではないかと。

元々機動六課設立の要因となったカリムの能力も、その精度となると、よく当る占い程度のものであり、これだけでも情報の判断材料としては精度が甘いのだが、最大の問題なのが、それを引き起こす側の目的が全く理解できないことといえる。(現に、襲撃直前に至っても、スカリエッティが地上本部を襲う目的は全く不明だった)

その為、機動六課としては、スカリエッティにイニシアティブを取られ続けられると言うハンディを負わされることになるのだが、更に彼女達に不利に働いたのが、組織設立の経緯と設立目的から、カリムの予言を軽視することが出来ないという、組織運営上の問題である。

結果論から言ってしまえば、機動六課本部には、はやてとヴォルケンズが総予備軍として控え、地上本部内部には接近戦の得意なフェイト、外部には、なのはとフォワードチームが機動戦力として配備していれば、スカリエッティの二重包囲戦にも、まだ何とか対処できたのではないだろうか。

もっとも、この場合、はやてとヴォルケンズという有力な戦力が、遊兵化される可能性も多分にあり(トーレとセッテの役目は機動防御戦であると思われ、間違いなくはやて達の邪魔をするであろうし、例えそれを撃破したとしても、地上本部攻撃戦の一番大事な時期に間に合わなければ、戦力として意味は無い)、軍事的にはともかく、政治的には採る事が出来ない策であろう。(あるいは、以前戦闘を交わしたルーテシアやナンバーズの戦闘能力を見て、機動六課が総力で当らなければ対処しきれないという判断を下した可能性もある)

その為はやてとしては、地上本部の壊滅阻止のため、機動六課のほぼ全力を地上本部に集中。相手が戦闘のイニシアティブを取っているという有利さを、機動六課の精鋭を以って覆そうとしたわけだが、はやてにとって誤算だったのが、相手の狙いが地上本部の攻略ではなく、指揮系統の無力化に終始してしまい、結果的に機動六課の戦力が遊兵化に陥ってしまったことであろう。

今回の機動六課の敗因を挙げるとするならば、「掴んだ情報の精度があまりにも粗く相手の真意を掴むことに失敗したばかりか、政治的要因から情報判断にもバイアスをかけてしまった結果、見事に相手の奇襲を受ける羽目になった」と、いえるのではないだろうか
by NO NAME (2007-07-19 23:34) 

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